学科長挨拶
当学科は現代社会の基盤を支えるため、高い技術力を持つ技術者や研究者を育成するとともに研究成果で社会に貢献することを使命としています。
近年、気候変動による災害の激甚化、将来に直面する地震災害、社会インフラの持続的な更新問題、そして生活環境や生物多様性の保全など、社会における土木工学および環境工学の果たす役割の重要性は年々高まっているといえます。
社会インフラは、人々の生活の質を向上させるとともに、生物が安心して棲むことのできる環境を創り出す役割も期待されています。また、一般に計画から完成までに長い年月を要するうえ、完成後はさらに長期間の供用に耐え得ることも求められます。現在は高度経済成長期やそれ以前に完成したインフラの老朽化に対応するためそれらの保守・延命を行う一方で、次の時代の社会インフラを新たに構築していく必要があります。最近はデジタルトランスフォーメーションが土木分野にも浸透したことで、情報工学の取り扱ってきた領域をも横断的に理解してインフラづくりに活用することが必要になっています。
従って現在の土木技術者に求められる技術力が高度化・多極化していることに加え、各分野を横断する幅広い知識を身につけることが必要になっているといるといえます。このような背景において、社会建設工学科では、社会や環境を守るための工学分野の教育に力を入れながら、土木・環境工学の各分野において各研究者が先端的な研究に取り組んでいます。
当学科に対して社会での役割や期待は益々大きくなっております。それに応えるよう、学生と教職員が一丸になって、日夜研鑽に励んでおります。皆様からのより一層のご支援をお願い申し上げます。

山口大学工学部
社会建設工学科
学科長・教授
山本 浩一
学科紹介
社会建設工学科は工学部の前身である官立宇部工業学校の創立から85年を超える歴史を有し、卒業生は4995人、修了生は1476人(2025年3月時点)に達しました。これは中国地方の土木工学を扱う学科では最多で、全国的にみても有数の規模と伝統を誇ります。卒業生は建設業を中心に各界において活躍しております。また、教育のグローバル化にいち早く対応すべく、2003年度に東アジア国際コースを開設し(現在、社会建設工学と東アジア国際の2コース制)、世界で活躍できる技術者の育成に取り組んでいます。
さらに当学科の専門教育のプログラムは日本技術者教育認定機構(JABEE)によって国内だけでなく国際的に通用する教育水準を満たすものとして保証されていることです。これにより、当学科を卒業すれば、国家資格の技術士補(建設部門)の登録ができます。
沿革
1939 現在の工学部の前身である官立宇部高等工業学校の採鉱科と鉱山機械科が設置される
1949 山口大学工学部が開設され、両学科を母体として土木工学科と鉱山学科が設置される
1964 鉱山学科が資源工学科に改称)
1980 土木工学科に建設工学科が併設される
1990 土木工学科、建設工学科、資源工学科の一部、工業短期大学部土木工学科が統合して、社会建設工学科となる。
2003 東アジア国際コースを開設,社会建設工学コースとの2コース制となる