暮らしを支える学問分野
私たちの暮らしはさまざまな社会インフラによって支えられています。
たとえば、道路や鉄道などの交通インフラにより、私たちは自由に移動し、モノを輸送することができます。電力・ガス・上下水道などのライフラインにより、清潔で快適な暮らしを営んでいます。ダム・堤防などの治水施設によって、安心・安全に暮らしています。このような公共的・公益的な構造物(土木構造物)は社会インフラと呼ばれ、私たちの暮らしには欠かせません。
社会インフラをつくり、保守点検を行いながら維持していくための知識や技術を研究しているのが社会建設工学です。

社会建設工学科ではどんな勉強をするの?
土木構造物(社会インフラ)はただつくればよいというものではありません。自然環境を大きく改変しますし、一度つくれば長期間にわたって多くの人びとの暮らしを支えます。このため、その整備と運用によって人や物の流れ、自然環境、そして社会のようすがどう変化するのかを予測しながら計画を立て実行していく方法を学ぶ必要があります。
また、道路や橋、トンネル、ダム、堤防などの土木構造物を建設するにあたり、その土地の地盤や流れている川の状況に適した材料や構造を見極め、選び、設計する手法を学ぶのです。
地震や豪雨などの災害が、土木構造物や社会に与える影響やその対策方法も学びます。
工事の前や途中では、地形や構造物の形を繰り返し測る必要があります。そのための測量技術や、完成した構造物のメンテナンスを行って長持ちさせるための知識も学びます。
近年では、コンピュータを駆使して、大規模構造物の設計や災害シミュレーション(地震・豪雨災害・避難など)が行われるようになっています。その手法の基礎も重要な学習項目です。
このような様々な学習項目について、講義で理論を学ぶだけでなく、実験・実習・演習を通じて科学的な理解を深め、実践につなげます。
土木構造物の整備は国内に留まりません。国外に行けば、その国の自然環境や文化に合わせた構造物の整備が必要です。国際的な建設市場の実態を語学とともに学びます。