第3回山口大学国際同窓防災・環境オンラインセミナーを開催しました

カテゴリ: 2024年04月11日 17:05
2024年3月23日(土)、WEBにて「第3回山口大学国際同窓防災・環境オンラインセミナー(The 3rd International Alumni Online Seminar on Disaster Prevention and Environment)」が開催され(地域レジリエンス研究センター防災・減災グループ主催、山口大学工学部社会建設工学科、グローカル環境・防災学研究会共催)、日本、インドネシア、東ティモール、バングラデシュ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、カナダの8か国から50名が参加しました。本セミナーは、海外から山口大学に留学・修了後、各国で活躍している卒業生と在学生の交流の場を提供しています。同時に、地方レベルの災害や環境の問題を共有し、解決のための国際的な研究協力関係を強化することを目的としています。
セミナーは招待講演と、2021年4月に東ティモールで発生した洪水災害のその後に関する特別セッション、山口大学在学生・卒業生による口頭発表セッションの3部構成で行われました。
招待講演では、山口大学工学部社会建設工学科の関根雅彦教授が、東ティモール国立大学の支援プロジェクトについて、長年同学科の教員が関わってきた取組み内容と修士課程設置に向けた課題について講演を行いました。
2021年4月に東ティモールで発生した洪水災害からの復興状況に関する特別セッション(座長:工学部社会建設工学科教授・関根雅彦)では、工学部社会建設工学科教授・山本浩一による東ティモール洪水災害に対する山口大学の対応についての紹介が行われました。続いて、JICA東ティモール事務所の氏家慶介氏とフォンセカ・パトリシア氏から東ティモール洪水災害の被害状況と復興のためJICAが行ってきた取組みについて紹介が、東ティモール国立大学のベンジャミン・マルティンス講師とフゴ・シメネス講師からは、事前録画したビデオの放映による発表がありました。ビデオ発表では、ベンジャミン・マルティンス講師から、土砂移動で河道が閉塞している深刻な状況の紹介および改善への提案が、フゴ・シメネス講師から、資金不足で道路の施工や維持管理の状態が悪く、のり面崩壊などが起こっている現状について紹介がありました。さらに、山口大学大学院創成科学研究科の博士課程の学生であり東ティモール国立大学の講師でもあるレアンドロ・マデイラ・ブランコ氏から、洪水で発生した土砂堆積物を現地の建設資材として再利用する挑戦について紹介がありました。6名の発表の後、東ティモール、インドネシア、バングラデシュの参加者から質問があり、活発な質疑応答が行われました。
山口大学在学生・卒業生による口頭発表セッション(座長:工学部社会建設工学科准教授・中島伸一郎、山口大学大学研究推進機構教授・大澤高浩)では、留学生5名と自国で活躍する卒業生2名に加え、2024年2月26日~3月6日にJSTさくらサイエンスプログラムで来学して研修を受けたインドネシア国ブンカリス高専2名の計9名が防災や環境に関係した発表を行い、参加者との質疑応答が活発に行われました。
各国の防災、環境の分野で活躍する卒業生と在学生、教員、その他の参加者が互いに問題点などを共有できた有意義な会となりました。本学ではこれからも卒業生と在学生の交流の場を提供し、国際的な研究協力関係を強化していきます。
 
当日のプログラムは以下からご覧いただけます。
 
地域レジリエンス研究センター防災・減災グループHP