国際岩の力学会（ISRM: International Society for Rock Mechanics and Rock Engineering. 設立1962年．加盟国60，会員数約9000，本部リスボン，ポルトガル）は，岩の力学と工学分野において顕著な業績があり，学会活動に多大な貢献を果たした会員に，最高位の称号Fellowを授与しています．選考は2年に一度行われ，2023年は清水名誉教授はじめブラジル，南アフリカから併せて3名が選ばれました． 授与式は，去る10月9-14日にオーストリアのザルツブルクで開催された第15回国際ISRM会議の開会式（10日）において挙行され，ISRM総裁のR. Ulusay教授から証書とメダルが授与されました．会議の出席者は64か国から約1500名に及び，授与式終了後も多くの人々から祝福を受けました． 授与理由として，2015～2019年にISRMの副総裁を務め学会の発展に寄与したこと，特に，アジアや東南欧州地域の岩の力学・工学分野の活動を強く支援したことが評価されました．また，宇宙技術を活用した岩盤や構造物の安全監視等の研究を推進し，衛星測位システム（GNSS）による岩盤変位モニタリングのガイドラインをISRMから出版したこと，さらには，多くの国々でそれらの技術の普及を図るとともに各国の岩盤安全監視の課題に取り組み共同研究の成果を多数発表したことなどが認められました．今後もこの分野の発展に寄与されることが期待されます．